「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第1話その2

前回のあらすじ

柊秀は中学生の男の子。
ある時、血を見た瞬間苦しさに襲われ、気がつくと女の子になってしまった。
混乱してるそこへ謎の女性が現れた!

 
 
「宝木プロダクション…?」
僕は、連れられてる間に名刺をじっくり見ていた。
僕がそうつぶやくと、女性は口を開いた。
「そう、私はそこの事務所の社長をしている『宝木麗(たからぎ うらら)』よ。
 詳しい話は事務所に着いてからするわ。」
「わかりました。」
そう言うと、二人は黙ったまま街の中を歩き続けた。

しばらくすると、汚い雑居ビルに到着した。
「ここの3階が我が事務所よ。さぁ上がって。」
「は、はぁ…。」
『この汚い建物が事務所?芸能関係の事務所ってどーんとしてきれいなイメージがあるんだけど…。』
なんかしっくりしない気持ちにはなったものの、案内されるままに3階まで上がっていった。

「うわぁ…!」
建物の外見とは裏腹に事務所の中はとてもきれいだった。
「そこの椅子に座って楽にしてて。お茶を淹れてくるわ。」

 ぱたぱたぱた…

『芸能系の事務所にしてはこじんまりしてるし、だれも居ない…。なんでだろう。』
「おまたせ。」
僕が色々考えてるうちに、宝木社長はお茶を入れて戻ってきた。
「ごめんね。人が居なくて社長である私自らお茶を入れなければならないなんてね、
 ホント情けないわ…。」
「…。この事務所って、もしかして社長さんだけ…ですか?」
社長の言葉に思わず出てしまった質問。いけないと思いつつも、
言ってしまった言葉をいまさらひっこめるわけにはいかなかった。
「…、ええ、その通りよ。」
社長の言葉に重くなる空気。社長はさらに続けた。
「だからこそ、この事務所を立て直すために新しい人材が必要なのよ。
 そんな時なのよ、あなたを見つけたのは!」
僕の方を見て気合の入った声に、キョトンとする僕。
「いきなりこんな事言うのもあれだけど…、私と一緒にトップモデルを目指してみない?」
「え…?!いきなりそんな事言われてもボクには…。」
動揺を隠せない僕に社長は言った。
「そうね、それもそうね。ごめんなさい。
 それはそうと、ちょっと試しに服着てみるかしら?以前の子たちの服が残ってるので大丈夫よ。」
そういうと社長は僕の返事を待たずにボクを奥の部屋へと連れて行った。

  …そして、数分後

「やっぱり思った通りだわ!」
「うぅぅ、恥ずかしいなぁ…。」
女の子の服を初めて着た僕としては何とも言えない感じがした。
スカートはスースーするし、胸もなんだか妙な感覚がするし、とても一言では言える事ではなかった。
…、でも、鏡で見た自分を可愛いと思ってしまったのも事実だったりするわけで、ホント複雑だった。
「あら、女の子なら普通の恰好じゃないの。不思議な子ね。
 でも、思った通りこれならモデルとして十分通用するわ。
 今回は無理に誘ったし名前はあえて聞かないけど、あなた、今度また会えるかしら?」
「え?」
「正式にうちでモデルとして契約したいのよ。日を改めて親御さんとお話をして…ね。」
頭が混乱してる僕だけど、なんだかモデルっていうのも悪くない気がした。
二つ返事に明後日の日曜日に会う約束をした。
「それじゃオッケーね。また会いましょう。
 これ、あなたがもともと着てた服。全部男物だったけど、そういう趣味?」
「あ、いや、その…(てはは…)」
「まぁ深くは詮索しないけど、モデルとして活躍するあなたが楽しみでしょうがないわ~♪
 遅くもなるし、早く帰りなさい。道は分かるかしら?」
「さっきの道は覚えてますし、大丈夫です。」
「そう?家まで送ってもよかったんだけど。」
「いえいえ、お構いなく…。」
「わかったわ。それじゃ日曜の12時に今日会った本屋さんの前ね。ふふふ、楽しみね♪」
何とも嬉しそうな顔の社長を見てると、今更断れない気もして受けてしまった…。
しかし、この選択が後々のボクを奇妙な運命に導く事になろうとは、この時点では思わなかった。


  ――続く

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