「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第3話「初挑戦☆」その1

前回までのあらすじ

 モデル事務所社長の宝木を自宅に迎え、話をしたせら。
 モデル契約をし、活動時の名前も無事に決まったせらに待ち受けていたもの…
 それは一週間後のオーディションに挑戦するための特訓であった。

 
 
「い、一週間でとか無理じゃないかなー…」
スタジオに向かう車の中でぼそっと呟くボク。
不安そうなボクに社長は言った。
「大丈夫よ。肝心なのはあなたの筋とやる気なんだから。
 その気になれば数日の特訓でもこなせると思うわ。」
すごく強気な発言にも思えたが、でもそうなんだろうと納得させられた気がした。
「オーディション当日まで、私自らが特訓してあげるから覚悟してね?」
「はい、分かりました。」

スタジオまでの道中、社長のプロデュース経験などいろいろ聞いてみたけど、
どうやら以前居た子たちも社長自ら特訓・指導をしていたようだ。

不安と期待が入り混じったスタートだったけど、社長の指導はすごく厳しかった。
怒られたり褒められたりしながら、一週間の時が過ぎていった…

   ―――オーディション当日

ボクは極度の緊張からあまり眠れなかった。
女の子として生活するという慣れない環境のせいもあると思う。

「おはようございます!」
「おはよう、SERA。それじゃ早速向かいましょうか。」
そう言って、社長の車でオーディション会場まで向かった。

今回のオーディションは子ども向けファッション誌の新人発掘という事らしい。
なので、ボクのようなぽっと出でも参加する事が出来たようである。
なんにしても初めてのオーディション。緊張しない方が変な気もする…
ましてやボクの場合は元が男の子なので、周りが女の子だらけという環境が待っているだけに
さらに変な緊張に襲われていた。
「うぅぅ、本当に緊張してきた…」
「初めてだものね、ある程度は仕方ないわ。
 でも、しっかりやってもらわないとこっちも困るわ。」
社長の言葉は耳に入ってきたが、会場が近付くにつれて緊張がどんどん増していくようだった…

「さぁ、着いたわよ。」
目の前には大きなビル。ここには今回の雑誌の出版社が入っているらしい。
「SERA?大丈夫かしら。」
「だだだ、大丈夫デス。」
ボクは、誰が見ても緊張しまくりなのが分かるような状態になっていた。

「あら、宝木社長さんじゃないですか。」
後ろから不意に声がかかる。緊張のあまり、声にひどく驚くボク。
「ん?あら、木下さんじゃないの。おはよう。」
「おはようございます。」
振り返るボク。そこにはボクと同い年くらいの女の子が立っていた。
「その子、新人さんですか?」
「えぇ、SERAっていうの。ほら、SERA挨拶なさい。」
「え…あ…、ボ、ボク、SERAっていいます。よ、よろしくお願い、します。」
たどたどしくもなんとか挨拶をするボク。女の子はくすくすと笑っている。
「すごい緊張ね。明らかに初めてって感じね。」
「えぇ、この一週間、特訓はしてきたものの今回が初めてだからね。」
「なるほど、初々しくていいわ。あたしの初めての時を思い出すわね。」
にこやかに話す女の子。そこそこ慣れているらしく、実に普通に振舞っていた。
「と、あたしは『木下あきら』っていうの。SERAちゃん、よろしくね。」
にこやかな笑顔、これがプロってやつなのかな。
「木下さん、あなたも今回のオーディションは参加するの?」
「ええ、もちろん。相手に新人が居ようともあたしは手は抜きませんからね、
 覚悟して下さいね。では、お互い頑張りましょう。」
そう言うと、女の子はビルの中へ入っていった。

これが運命の出会いだという事に、この時のボクは気づくはずもなかった。
「さぁ行くわよ、SERA!」
ボクと社長はオーディション会場へと向かうのだった。

   ――その2へ続く

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