「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第3話「初挑戦☆」その3

前回までのあらすじ

 モデル「SERA」としての初仕事であるオーディションに臨んだせら
 そこで先輩モデル「木下あきら」と会う
 彼女との会話で緊張のほぐれたせらは、いよいよ出番を迎えたのであった

 
 
――いよいよボクの出番だ。この一週間の特訓の成果を出さなきゃ…
オーディションの部屋に入る前から勝負は始まっている。

――コツ、コツ、コツ…
廊下にはボクの足音が響く。
コンコン。ボクは会場の扉を叩く。
「失礼します。14番、宝木プロダクション所属のSERA入ります。」
「どうぞ。」
ガチャ。
意識せずに普段通り歩く、たったそれだけの事なのに思いのほか難しく感じた。
しかし、さっきのやり取りで緊張がほぐれていたためかそんな不安も気にならなかった。
「では、そこにお掛け下さい。」
「はい。」
審査員の言葉にゆっくり腰を下ろす。
「SERAさんですね。では、自己紹介をお願いします。」
「はい。ボクは宝木プロダクション所属のSERAです。中学二年生の13歳です。
 趣味・特技はカラオケです。」
「カラオケですか。お友だちとはよく行ったりするの?」
「はい、誘われる側ですけれど結構一緒に行きます。」
「よく歌うのは?」
「仁科さんですね、友だちがよく歌うので聞いてみて、すごく気に入りました。」
――あれ?なんか審査員が複雑な顔してる…。ボク、何かまずい事言ったのかな?

「続けましょうか。ご自身のいい点悪い点を挙げて下さい。」
「いい点ですか。結構誰とでもすぐに友だちになれるところですね。
 悪い点は、そことなく状況に流されやすいところですね。」
「ふむふむ…。では最後に『モデル』という仕事のイメージを聞かせてもらえるかしら?」
「イメージですか…。そうですね、ボクは未経験者ですし。
 正直言いますと、社長に出会う前は『服着て写ってればいいんでしょ』って感じだったんですが、
 社長に出会って、直々にレッスンを受けてみてイメージが変わりました。」
「と言いますと?」
「そうですね。一言で言うなら『服を魅せる』。こういう感じですね。
 服を着て写るだけじゃない、デザイナーと雑誌や画面の向こう側の人を結びつける。
 そんな重要な位置なんだなって、社長の熱意を見てたら思えてきまして。
 でも、今の自分のイメージに納得してなければ今回受けてなかったと思います。」

審査員がざわめく。
普通ならおどおどしかねないが、せらは全く動かず、しっかりと前を見ていた。

「ありがとうございました。では次の方と交代して下さい。」
「はい、ありがとうございました。」

SERAは立ち上がると深く一礼をしドアへ向かった。
「失礼しました。」
ドアのところでそう言うともう一度頭を下げ出ていった。

「…、あの子興味あるわね。」
「そうですかねぇ、これといって面白そうなところない感じでしたけど?」
「そうね。でも、私はあぁいうバカ正直な子は好きよ?」
「まったく、君の物好きにも困ったものだ…」


数日後、プロダクションにオーディション合格の通知が届いた。
今回のオーディションで合格したのは2人。しばらくは2人で同じ仕事をする事になるらしい。
その相手が誰なのかは聞かされてなかったものの、ボクは何となく分かっていた。

「これで、ボクのモデルとしての仕事が始まるんだ。
 ファイトー、オーッ!」
体質的な点からも不安はあるものの、こうしてSERAのモデル活動は始まりを告げたのだった…


 ―――第4話「秀の憂鬱」に続く

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