「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第5話「あきらの憂鬱」その2

前回までのあらすじ

 オーディションに合格したあきらとSERA
 SERAのど素人っぷりに驚くあきらだが、SERAに何かしらの魅力を抱く
 打ち合わせを重ね、いよいよ撮影の日を迎えるのであった

 
 
「ふぅ、あの子、大丈夫かしら。ど素人すぎるから心配だわ。」
撮影の日の朝、あたしはそんな事を思いながら目が覚めた。
一人での撮影がほとんどだったあたしにとっても、今回は常に2人撮りという事で、ちょっと不安な点もあった。
「…、こんなところで悩んでても仕方ないわね。準備して出ましょうか。」

読者モデルから入って続けてきたこの仕事だけど、今回みたいに考えるのは実は初めてだった。
常に2人っていう事が初めてなのもあるけれど、一緒に仕事する人の心配とかなんかあたしのガラじゃない。
でも、そんな気持ちにさせてしまうSERAは、本当に不思議な子だった。
「ともかく、今日の仕事はちゃんとこなさなきゃね。」
あたしは気合いを入れ直して仕事場へ向かうのだった。

「おはようございます。」
スタジオに着いたあたしはいつも通り挨拶をする。
「おはよう、まだしばらく時間があるから控室でくつろいでらっしゃい。」
「わかりました。」
さすがに早く来すぎたのか準備ができていなかったようで、言われた通り控室に移動する。
控室に入ると、そこにはSERAが居た。
「あ、おはよう。」
「おはようございます。」
どうもSERAも早めに来る性格らしく、早く来すぎて同じ事を言われたみたいだ。
「うぅ、初めての仕事で緊張する…」
SERAの顔を見るとよく分かる。というか全身が見れば分かるほどこわばっていた。
「SERA?」
「は、はい!」
あたしが声をかけると緊張してるのがよく分かるほどの声で返事が返ってきた。
「…、初仕事ですごく緊張してるのね。前みたいな笑顔がないわ。」
「そそそ、そんな事ないですよ。」
「ふぅ、最初なんだから多少の失敗くらい大目に見てもらえるわよ。
 なんていうか、最初の頃を思い出すわ。とにかく気楽にいきましょう。」
「はい。」
そうこう話をしていると、準備ができたらしくアシスタントが呼びに来た。
そして、撮影が始まったのだ。

撮影も順調に進み、休憩に入る事になった。
しかし、事件はその休憩時間に起きるのであった。
「一旦、休憩入りまーす。」
アシスタントの声が響く。
「SERA、休憩だって休もうか。」
「そ、そうね。緊張で疲れちゃったわ。」
そう言った2人が休憩のためにスタジオの脇に歩き出した時、それは起きた。
アシスタントの1人が声を上げる。
「そこの2人、危ない!」
「「え?」」
2人が振り返ると、セットの一部が倒れかかろうとしていた。
「あきらちゃん、危ない!」
「きゃっ!」
SERAがとっさにあたしを突き飛ばす。

 ――ガラガッシャーン!

「SERA?!」
「2人とも大丈夫?」
「あ、あたしは大丈夫。それよりSERA!」
全員が倒れたセットの方を見る。
「あつつつ…、とっさだけどなんとかなったかな?」
SERAはセットを受け止めるような形でしゃがみこんでいた。
「ふぅ、あっちじゃないから思うように力入らなかったかな。」
「大丈夫?」
「ボクは大丈夫ですよ。ほら、すごくピンピンしてますし。」
「見た目は大丈夫そうだけど、念のために控室へ行って休んでなさい。」
「分かりました。」
あれだけの事があったのに比較的無事っぽくて、あたしはホッとした。
しかし、あたしはこの後、ずっと感じてた違和感の正体を知る事になるとは思っていなかった。

「まったく、無茶するわよ。」
「ははは。でもなんでだろう。とっさに体が動いてあぁなったのよね。」
「まったく無茶するんじゃないわよ。無事だったからいいけどさ…」
「ごめんごめん、そうだよね。」
そうやってSERAと2人笑ってると、あたしは何かに気がついた。
「SERA、左腕けがしてるよ。」
「え?あらやだホント、しかも血が出て…、血…?」
血を見た瞬間、SERAの様子がおかしくなった。
「あ…、あ…、あきらちゃん…」
「ど、どうしたの?SERA。」
「う、うぅぅ…。」
目の前でみるみるSERAの髪色が変わっていく。
あれだけ赤みがかってたきれいなセミロングも青く短く変わっていく。
「あ、あなた…誰?」


   ―――第6話に続く

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