「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第6話「友だち☆」その3

前回までのあらすじ

 あきらの家に呼ばれたせらはその豪邸っぷりに驚く。
 ここでお互いの事を語らうの2人。
 そして、あっという間に時間が過ぎていくのであった。

 
 
「でも、あきらちゃんの家ってお金持なのね。」
「まぁね。聞いた事あると思うけど、これでも財閥の1つ、木下グループだからね。
 ま、あたしはそんなのどうでもいいわけだけど。」
「えぇぇ!いろんなとこのスポンサーやってるあの木下グループ?!」
「えぇ。」
「そっか~。でも、あきらちゃんはあきらちゃんだもんね。ボクもその辺は気にしないよ。」
「あきら様、そろそろお昼食の時間でございます。」
「え?もうそんな時間なんだ。SERA、一緒に食べていく?」
「遠慮はしたいところだけど、今回はお言葉に甘えさせてもらおうかな、うん。」
「それじゃ行こうか。」

ボクはお言葉に甘え、昼食を一緒にとる事にした。目の前に並んだ料理を見て、ただただ圧倒されるだけで、思うように喉を通らなかった気がする。
あきらちゃんのご両親が居た事もあってか、さらに緊張感がすごかったけど、少しずつ会話しながら楽しく過ごせたと思う。
食事も終わり落ち着いたところで、あきらが口を開いた。
「パパ、ちょっとSERAと一緒に出かけてきていいかしら。」
「あぁ構わんが、仕事の日じゃないから遅くなるんじゃないぞ。」
「えぇ、分かってるわ。それじゃSERA行きましょ。」
「え、あ、うん。」
そう言うと、ボクはあきらに引っ張られるように出かけた。

「SERA、その眼鏡って伊達?」
「うん。あれ、分かっちゃう?」
「えぇ、普段かけてないし、コンタクトの感じもしなかったからね。
 で、その眼鏡って男の時にかけてるやつ?」
「秀の時にかけてる眼鏡で合ってるよ。体型変わらないからこっちでもかけてるの。
 なんていうか、かけてないと落ち着かなくてね。えへへ。」
「ふ~ん。にしても、女と男の時とじゃ口調も仕草も完全に違うわね。」
「意識はしてないけど、確かに完全に違ってるかな。自分でもまるで別人の感覚かな。」
「ふ~ん。」
ボクは気がつかなかったけど、その時のあきらは何か引っかかるような顔をしていた。
これが後々に意味深な事になるとも知らずに…

ウィンドウショッピングなどで適当に過ごしていたボクたち。そんな中、ボクがちらっと言葉に漏らす。
「あきらちゃん、なんだかボクたちって女の子友だちみたいだね。」
「え?!」
驚いたようにあきらが反応する。
「だってそうじゃない。こんな風に一緒にお洋服見たりとか小物見たりとか、ね☆」
「…、そう…かもね。」
あきらが照れたような表情を浮かべる。
「友だち…か。なんかそういうのって居なかったかもね。
 木下グループの令嬢って見られてた事多いし、自然な形での関係ってなかったかもしれない。
 …、SERAが初めての友だち…かもね。」
「ふふ、嬉しいな。」
ボク自身も不思議に感じた。女の子の状態での初めての友だちだから?
それとも、この変身能力を知った上での関係だからこそ、不思議に感じるのかな?
なんにしても、ボクはすごく嬉しく感じた。

しばらく歩いていると、どこからともなく小さな子の泣き声が聞こえてきた。
声のする方へ行くと、女の子が一人、ぽつんと立っていた。迷子のようだ。
「どうしたの?」
「ママ…と…はぐ…れ…ちゃった…の。」
どうやら母親と来たけど何らかの拍子にはぐれてしまったらしい。
「そっか。それじゃお姉さんたちと探そっか。いいよね?」
「そうね、こんな小さな子一人置いておけないしね。」
ボクたちは女の子の母親を探して回ったけど、なかなか見つからなかった。ボクは、泣きそうになる女の子を見てられなかった。
「あきらちゃん、下手に動くと入れ違いになるかもしれないから、一旦動くのやめよう。」
「そうね。」
一旦動きを止め、とどまる事にしたボクは女の子にちょっと質問をしてみた。
「ね、何か歌ってほしい曲とかある?ボクの知ってる範囲でなら歌ってみるよ?
 うん、うん。…、その曲なら知ってるから大丈夫。」
「SERA、何する気?」
「何って、歌うの。歌えば目立つし、見つかるかもってね。
 よし、せっかくだし歌っちゃうね。」
ボクはそう言うと早速歌い出した。
「…!」
あきらは言葉を失ったように驚く。女の子は笑顔になり、周りの通行人たちも足を止める。すべての人がボクの歌に惹きつけられる。
「な、なに。SERAって一体…」

しばらくすると女の子の母親が現れて再会する事ができた。母親からお礼を言われる一方で、女の子からはもう1曲リクエストが来た。せっかくなのでフルで歌いきる事にした。
『SERA…、モデルより歌手の方が向いてるんじゃ?というか素人でこの歌唱力って…』
日が暮れ出し、夕焼けに染まる公園にボクの歌声だけが響いていた。


  ――第7話に続く

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