「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第7話「意外なライバル☆」その2

前回のあらすじ

 久々に単独で受けたオーディションで謎の少女と出会ったSERA。
 その数日後、秀の下駄箱に入っていた謎の手紙。それはなぜかSERA宛てで書かれていた。
 不思議に思う秀だったが、挑発に乗り、SERAとして相手に会う事にした。

 
 
「今日もせらとしての服を持ってきてたもんな、習慣って怖いね。」
せらとして手紙の主に会うために、いつもの場所で着替える僕。
「これでよしっと。どこの誰だか知らないけど、脅しとか許さないんだからね。」

せらに変身したボクは早速屋上へと向かう。急いで階段を上がるボクの息は少し乱れていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…。さぁ、どこの誰だか知らないけど姿を見せなさい!」
屋上に着いたボクは叫ぶ。するとどこからともなく声が聞こえてきた。
「あらあら、ホントに来たんだ。」
方向は分からないけど、どこかで聞き覚えのある声だった。
「この声は…、ま…、まさか…」
「そのまさかで合ってると思うわよ。」
そう聞こえた後、上から影が降ってきた。
「脅迫状みたいな手紙を出して悪いとは思ってるわ。ごめんなさいね。」
「あ、あなたは『森 千尋』さん。差出人はあなただったの?」
ボクがそう言うと『彼女』は微笑んで言った。
「覚えてくれてたんだ、嬉しいな。でも、私たち会ったのは初めてじゃないわよ?
 だって、クラス隣同士だし、体育とか共同じゃないの。」
「え?」
ボクは記憶を辿り始めた。すると、体育の時に点呼で呼ばれているのを思い出した。
「…、F組の『森 千尋』…君?」
ボクがそう言うと森君はにっこりほほ笑んだ。
「そう、私は男の子だよ?柊君って意外にこういうのは覚えてないのね。」
「いや、覚えてないというか、気にかけてなかったというのが…、あっ。」
ポロッと言った言葉に思わず詰まる。
「ふふ、自分が『柊 秀』って事を認めたわね。別にいいのよ、私はばらす気はなかったし。」
「え?だったらあの手紙はなぜ…?」
「話がしたかっただけって言ったら怒る?そう、あなたと話がしたかっただけ。
 私がモデルを始めるきっかけになったあなたとね。」
その言葉にボクは、この人だったら話してもいいと思った。純粋に話をしたかっただけなのがよく伝わってきたから。
「…、人払いのためでもあったのね、あの手紙。」
「うん。」
「千尋君なら、信用してもいいかな。知りつつも黙ってくれてたわけだし、信用できると思う。」
「名前で呼んでくれるのね。」
「えぇ。ところで、千尋君はどこで『柊 秀』=『SERA』だと知ったの?」
「いつだったかな。校舎の西階段で柊君が階段下に消えた後、SERAちゃんが出てきてね。
 あの時は授業で忘れてきた物を取りに行こうとしてただけだったんだけど、
 そんな現場に遭遇するとは思わなかったわ。」
「あぁ、そこを目撃しちゃったのね。行き止まりだから容易にその結論にはたどり着くね。」
そこからは普通に話で盛り上がるボクたちだった。

「…、でも。」
「うん。」
「女装男子に女の子のボクが負けたって事かな?この間のオーディション。」
「そういう事になるわね。」
「…。ごめん、すごくショックだわ。」
「まぁ、SERAちゃんは心が男の子だから、ね、気にしなくていいと思うよ。」
「そうかなぁ…。でも、千尋君は綺麗だし、負けたのも分からなくはないかな。
 オーディションで求められた物はその都度違うし。」
「そうだね。でも、そんな私がモデルを目指したきっかけがあなただって事は忘れないでね。
 SERAちゃんが居なかったら、今の私はないって事だもの。」

あれやこれやで軽く1時間は話し込んだボクたち。
お互いの正体は知られてる範囲以外には秘密って事を約束したのだった。もちろん、ボクの正体は学校の中では千尋君だけ。千尋君の事はあきらちゃんには話すって事で落ち着いたのだった。
「『木下 あきら』ちゃんか、彼女は知ってるんだ。」
「うん、思いっきり目の前で見られちゃったからね。アクシデントがあったし。」
「意外にうっかりさんなのね、SERAちゃんって。」
「あははは。それじゃそろそろ帰ろうかな。暗くなり始めちゃった。」
「あ、そうだね。それじゃまた明日会いましょうね。」
「うん、また明日。」

こうして、SERAに新しい友だちができたのであった。しかし、この出会いが後々に大きな影響を及ぼすとは誰も思っていなかった。


  ―――第8話へ続く

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