「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第11話「仮面がはがれる時」その2

前回のあらすじ

 歌手の活動も始まり、大変な生活の秀。
 そんな折、夏休み明けの教室で事件が起きてしまう。
 一体秀はどうなってしまうのか?

 
 
「…、というわけなのよ。」
クラスメイトを前にすべてを話したせら。空気がなんとなく重い…。
「みんな…、この事は黙っててもらえるかな?」
ボクがそう言うと、まずは茂木君から声が出た。
「当り前じゃないか、親友のためだからな。しかし、さっきの平手打ちは効いたぜ。」
「ごめんね、茂木君。そして、ありがとう。」
「いいって事よ。な、みんなも協力してくれるよな?」
クラスメイトからは同意の声が聞かれた。大っぴらにされると思っていただけに、これは意外だった。
「みんな…、ありがとう…」
みんなの優しさにボクは泣きそうになった。が、その空気を壊すように美々は口を開いた。
「秀…、とりあえずさ。」
「うん?」
その声にボクは反応する。
「服変えたらどう?前はだけてるのよ?」
その言葉にボクは真っ赤になって慌てふためく。
「あぁぁ、どうしよう。今日も仕事あるから服は持ってきてるけど、どこで着替えたら…」
「ねぇ、すぐに元には戻れないものなの?」
「うん、試した事はあるんだけど、変身した後はしばらくは戻れないみたい。
 それに、結構変身って体力使うし、条件も条件だからね。」
「あぁ、そっか…。とりあえず女子トイレでいいんじゃないの?
 って、そっちの姿の時ってトイレって…」
「ん?もちろん女子用使ってるよ。見た目は女の子なんだし、やっぱりね。」
「そう、まぁとりあえず…」
美々はボクの手を引いてトイレに向かう。戸惑いつつもボクはそれに着いて行った。

しばらくしてボクたちは教室に戻ってきた。私服姿のボクを見て教室はざわめく。それを見ながら美々は面白くなさそうな顔をしていた。
「秀…さ。」
「うん?」
「しかし、秀が色っぽく見えてたのもそのモデルのせいなのね。
 でも、男にスタイルで負けるのはまったくもって嫌だわね。」
気持ちは分かるんだけど、ボクはモデルである以上この体型維持は欠かせなかった。どんなに言われても、職業柄やめるつもりはない。
「あはは…。どういうわけか秀の時とせらの時とで体格同じなのよね。
 だからこっちの体型の影響があっちにも出てるのよ。」
「ふ~ん…。で、眼鏡はやっぱり欠かせないわけ?」
「うん?だって、眼鏡あってのボクでしょ?はずせないよ。」
「あたしも眼鏡のない秀は考えられないわね。にしても、幼なじみにスタイルで負けるとは…」
「美々…」
幼なじみの困惑顔に戸惑うボク。一方で時計を見るともう1時間目の開始時間が迫っていた。
「はう…、今日はこの姿で授業受けるのか…。ちょっと恥ずかしいな。」
しょうがないので、女の姿のまま授業を受ける事にした。

教師の目が気にはなったものの、無事に1時間目が終了。正直、こんな日が来るとは思ってはなかった。
「ふぅ、制服のある学校で私服で居るのは違和感があるわね、やっぱり。」
全員がカッターを着てる中で一人ノースリーブだとさすがに浮いていた。
「真面目な秀だと違和感あるだろうな。しかし、口調もしっかり変わるんだな。」
「うん?」
茂木君の言葉にキョトンとした感じで目をやるボク。
「いや、女になった途端に言葉遣いとか秀の時とガラッと変わったんでな。」
「ん~、特に意識してるわけじゃないけど、そう言えば自然と変わってるかも。」
『やべぇ、秀だというのに目の前のやつは可愛すぎる…』
普通に会話してるはずが、どうも茂木君の様子がおかしい。ボクは普段通りに接してるだけだけど、やっぱり今は女の子だからなのだろうか…。
「はいはい、茂木君。そのくらいにしときましょうか。まったく、秀も今の自分を考えなさいよ。
 男なんてのはそんなもんなんだから。」
「ははは…」
美々の辛らつな言葉にボクたちは苦笑いするしかなかった。
しかし、たった1時間の間だけでもこれだけあったというのに、この日はまだまだ終わる事を知らなかった…。


   ―――その3に続く

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