「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第11話「仮面がはがれる時」その3

前回までのあらすじ

 クラス全体に正体がばれてしまった秀。
 すぐには元に戻れないため、しょうがなく1日せらとして授業を受ける事に。
 だが、どうもクラスの中に不穏な動きがあるようだった…

 
 
2時間目終了後…

♪きーんこーんかーんこーん…
「やっと2時間目が終わったー…」
知ってる人間ばかりの中で知られてない自分で過ごすのはすごく疲れるものだった。
「きつそうだな、秀。」
「あ~、茂木君。うん、全く疲れるよ。」
休み時間に入って茂木君と話していると、クラスの女子が近寄ってきた。
「ねぇ、柊君。いいかな?」
「なになに?」
「その姿だと浮くじゃない。だから制服着てみようよ。」
「え~、この学校に余ってる制服…な…ん…て…」
「どうした、秀?」
「もしかして、あなたたち、演劇…部?」
にっこり笑う女子生徒2名。そう、彼女たちは演劇部だ。小道具で学校の制服が置いてあるというのは聞いていたけど、それを引っ張り出すつもりらしい…。
「ね、勝手にそんな事していいの?」
「構わないわよ、元々私たちの物なんだもの。自分たちの予備服を部室に置いてるの。」
「…、なるほどそういう事ね。ボクに拒否権はない。そんな顔してるわね…。
 分かった、着れば文句はないでしょ?」
「さすが柊君、分かってるぅ~♪」
唖然とする茂木君たちを置いて、しぶしぶ付き合うボクだった。

チャイムギリギリに戻ってくるボクたち。当たり前のように歓声が沸く。それもそのはず。そこには、夏の女子制服を着たボクが居たのだから…
しかし、なんにしても似合いすぎだった。正直言って恥ずかしい限りだ。
「…、似合いすぎでしょ、秀…」
美々がそうこぼす。
「自分でもそう思うよ。今は女の子だから仕方ないかもしれないけど…。
 どうでもいいけど、おもちゃにされてる気がする。」
「ははは、そんな事ないってば~。」
クラスのみんなが茶化す。今日は最後までこれなのかな…。このまま昼休みまで進む。

昼休みになると隣のクラスの千尋君が訪ねてきた。
「SERAが居るって噂になってたから来たわよ。」
呆れた顔をした彼はそう言ってきた。どうやら休み時間などの目撃談から他のクラスに飛び火したようだ。
「しかしまぁ、学校でついにやらかしちゃったのね、秀。」
「ははは…、まぁそんなとこ…」
呆れ顔の千尋君に直視できない感じで適当に答えるしかないボク。
「しかし、制服着てるなんて…。どこにあったの?その制服。」
「クラスに演劇部が居てね、その子たちのなのよ、これ。」
なんと言うか、半分男のボクと、そもそも男の千尋君。どっちも女子の制服が似合いすぎで、クラスの女子たちが複雑な顔をしていた。
「ホント…、複雑だわね。」
美々はそうつぶやいた後、
「ねぇ?秀、殴っていいかしら?」
「え、ちょっ?ボク、この後モデルの仕事だよ?それは勘弁して。
 土曜が休みだから、その時にどっか行くじゃダメ?」
相変わらず、美々は怖かった。怒った時は大概こうやってやり過ごしてきた。でも、今回はちょっと違っていた。
「…、秀。」
「なに?」
「プール…、せらとして、プールに行こう。それ以外許さないわ…」
明らかに表情が怖かった。さすがにヤバい気がしてきた…。
「ち、千尋君。これってまさか…」
「うん、明らかに嫉妬ね。幼なじみ…、しかも男に可愛さとスタイルが負けたとなれば、それは…ね。」
「…、土曜日覚悟しておくわ。幼なじみだけによく分かるから…」
「健闘を祈るわ。」

とまぁ、朝から正体がばれて地獄になった一日。でも、とりあえず、クラスのみんなは黙ってくれてるって事で落ち着いたけど、それ以上に今度の土曜日は気が気じゃない。
幼なじみであるボクだけに、美々の恐ろしさは分かっている。
その土曜日の一件以外にも実は恐ろしい計画がすでに動き出している事を、この時ボクは知る由もなかった…。


  ―――第12話に続く

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