「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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現在、comicoにてベストチャレンジとして「ひみつのなぎさ」を投稿中
(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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せらism☆第12話「運命は流れる波のように」その1

前回までのあらすじ

 夏休み明け、ふとした事からクラス中に「秀=せら」という事がばれてしまった
 着せ替え人形にされるわ、幼なじみにはすごまれるわ、災難な日になった秀
 これからどうなってしまうのか

 
 
「ふぅ、明日は美々とプールか…。そう言えば女物の水着を買いに行ったんだっけ。
 秀じゃなくてちゃんとせらで買いに行ったから表向きは大丈夫だったけど、
 僕本人からすればすごく恥ずかしかったな…」
約束の土曜日を前に部屋でたそがれる秀。水着を持ってなかったために前日に買いに行った時の事を思い出していた。自分の感性から水着を選んだのだけど、初めて見せる相手がまさかの美々というのは何ともそれだけでも恥ずかしかった。
「とにかく、明日は覚悟して行かなくっちゃ。相手はあの美々だからな。」
そう決めた僕は準備を済ませて眠りについた。

翌日、9時の約束のところ、8時半に待ち合わせ場所に着いた。これだけ早ければ居ないだろうと思っていたら、すでに美々は待ち合わせ場所に居た。
「あ、あれ?美々、もう来てたんだ。」
「遅いよ、秀。女の子を待たせるなんて最低よ。」
「いや、ごめん。って、ボクも今は女の子なんだけどね。」
「そんなの関係ないわよ。あたしにとってはあんたは秀、男の子なんだからね。」
「ははは。それにしても30分前に来たのにそれより早いってどれだけ早く来たの?」
「どうでもいいじゃない、そんなの。それより早く行きましょう。」
『結構楽しみで8時来てたなんて言えるわけないじゃないの。』
照れたような顔をして美々はボクの手を引いて歩きだした。最初から警戒気味だったボクには肩すかしのような展開から始まった。

「ここか、去年にオープンしたっていう総合アスレチック施設って。
 その中のプールもなかなか個性的で人気だって聞いてるけど。」
「えぇ、だから今日はここを選んだのよ。
 市民プールでもよかったけど、普通のプールじゃ面白くないから。」
外観をゆっくり見てるのもなんなので、ボクたちは早速中へ入っていった。

更衣室で水着に着替えるボクたち。これだけの人数の女性に囲まれて着替えるのは初めてなのでなんだか緊張してきた。
「この場だからあっちの名前で呼ばせてもらうわね。」
「ん?」
美々が急に話しかけてきた。
「今は女だから女の方の名で呼んだ方がいいでしょ?」
「あ、うん。一応気を使ってくれるんだね。」
「べ、別に気を使ってるわけじゃないんだからね。で、せら。」
「なに、美々?」
「なによ、その反則的なスタイルは!」
「きゃあ!な、何するのよ。」
美々が急に胸を鷲掴みにしてきた。それに驚いたボクは思いっきり声をあげてしまった。そしたら周りからは何とも言えない視線を浴びせられてしまった。
「…、せら、あまり変な声出さないでよね。」
「美々こそ、急に変な事しないでよ。」
しばらく二人の間に沈黙が入る…。しばらくして美々が口を開く。
「しかし、あんたもすっかりその姿の時は女の子なのね。」
「え、そうかな?」
「さっきの悲鳴とかまるっきり女の子じゃないの。あんたには男のプライドはないのか。」
「こっちの姿になっちゃったらはっきり言ってないわね。同一人物だけど意識は別人みたいな感じ。
 初めのうちは秀の性格をベースに女の子のイメージを足した感じで振舞ってたけど、
 途中からは『せら』って一人の女の子として振舞うようになったかな。」
「ふ~ん、つまりは『せら』はもう独立した1人って事?」
「うん、そんなところだね。それより早く着替えを終えて泳ごうよ。」
「そうね。いつまでももたもたしてられないわ。」
ちょっとあったけど、ボクたちは着替えを終えて外に出るのだった。この後も色々待ちかまえているとも知らずに…。


   ―――その2に続く

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