「み」から始まる冒険者

元「トリックスターのプレイ記」。現在は主に自作漫画の進捗報告記。Comicoに「ひみつのなぎさ」を投稿中!

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(c)未羊

2015.10.27 「ひみつのなぎさ」第5話投稿
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第12話「運命は流れる波のように」その2

前回までのあらすじ

 幼なじみの美々に誘われてきたプール
 お詫びをさせられると半ば構えてきてたせらだったが
 どうも、感じはちょっと違うみたい…?

 
 
「ん~、やっぱり1回は泳がないと気が済まないわね。」
時を同じくして、あきらも休日を満喫しようとプールに来ていた。従者も同行している。
「お嬢様、嬉しそうですね。」
「それはもちろん!レイ、あなたと一緒に外で遊ぶとか久しぶりじゃない。
 本当にいつもありがとうね。最近不穏な動きがあるから手を煩わす事になると思うけど。」
「私はお嬢様とともにあります。盾となり守ってみせます。」
「頼もしいじゃない。でも、無茶はダメよ。」
「存じております。…、お嬢様、あそこに居るのはせらではないですか?」
レイが右側を指差し、あきらに示す。
「あらホント、横のは誰かしら?」
「クラスメイトか何かでしょう。あれだけ親しくしてるわけですし。
 向こうもゆっくりしたいでしょうから、あのまま…」
「おーい、せらー!」
「お、お嬢様…」
『声をかけずにそっとしておこうと言おうとしてたのに…。お嬢様はもう行動が早いわ…』
あきらが声をかけると、ボクたちはそれに気づいて振り返る。
あきらが目に入ったボクは、美々と一緒にあきらの所まで走っていった。

「あきらちゃんもここに来てたんだ。もしかしてお休み?」
「えぇ、あたしも今日は休暇でね。よく思ったら泳いでなかったから来てみたの。」
「ねぇ、せら。この子は誰?」
馴れ馴れしく話してくるあきらに不審がったのか、美々が聞いてくる。
「そうか、初めてだよね。美々、この子がボクの相方の木下あきらちゃん。
 あきらちゃん、こっちは高梁美々。ボクの幼馴染なんだ。」
ボクの紹介に少々驚いた感じの美々。すぐに普通の表情に戻ったけど、何か気になる。
「どうもはじめまして。せらがお世話になってるみたいで…」
「こちらこそはじめまして。幼馴染か、いいなぁ。」
「え?」
意外なあきらの言葉に一瞬戸惑う美々。それを確認しつつも続けるあきら。
「あたしさ、せらに会ってからだいぶ変わったと思うんだ。
 だからこそ、もっと早くせらに会ってたら環境も違ってたと思うの。
 幼馴染って聞いて、それだけで羨ましく思っちゃった。気を悪くしたらごめんね。」
あきらの表情を見て美々は最初に抱いた警戒の念を解いた。ボクは少し離れたとこから見ていたけど、2人の表情に明らかに硬さが見られなくなったのが分かった。
『よかった、これで2人も仲良くなれそう。』
ボクは正直にそう思った。が、次の瞬間…

「…、ごめんなさい。ちょっと更衣室に忘れ物したみたいだからこれで失礼するわね。」
「え、えぇ。」
「美々ちゃん、またあとでゆっくり話しましょう。せらもね。」
「う、うん…」
明らかにあきらとメイドの表情が変わったのが分かった。何かあったんだろうか…。気になるけど、ひとまず折角のプールを楽しむ事にした。

「…、まったく。あいつが来てるとか予想外だわ。」
「お嬢様、あまり興奮しないで下さい。」
「分かってるわ。」
せらたちと別れたあきらはプールの一角へ向かって歩いていた。2人が歩いて行く先には1人の少女が立っていた。
「何しに来てるのよ、沙羅…」
そこに居たのは歌手『SARA』だった。普段のモニタ越しでは見られないきつい表情で立っていたので誰にも気づかれていないようだ。
「何って、せっかくの休みだからプールに来てるのよ。悪い?」
「それは別に構わないけど、明らかにさっきからせらに対して睨み利かせてたでしょ。」
「ふん、気づいてたか。あんな混ざりものがちやほやされてて気分いいわけないでしょ?」
「混ざりものって…。確かにそうだろうけど、その言い方はひどいんじゃないの?」
沙羅とあきらは睨みあうように立って口論を始めた。レイは止める事なく見守っていた。
「あんたは混ざりものと一緒に居てどうとも思わないの?
 思ってないんでしょうね、あれだけコンビで活動してるんだし。」
「沙羅、あんた言いすぎよ。せらの何が分かってそう言ってるの?」
「ふん。混ざりものってだけでイライラするのよ。中身とかどうでもいいわ。
 必ず近いうちに表舞台に出れないように潰してあげるんだから、覚悟しておけばいいわ!」
「沙羅!いい加減にしなさい。」
「あんたも今のうちに楽しんでおく事ね。あはは、あはははははは…!」
SARAはそう言うと高い笑い声を残して帰っていった。あきらは不気味な恐怖を感じたが、同時にSARAを説得できなかった事を悔やんだ。そして、せらは絶対に守ると誓ったのであった。


   ―――その3に続く

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